「The combination of stella influences日本語版」あとがき 04“The combination of stella influences Japanese version” Afterword 04
そして実際、アルバイト先のしょうもない占い館で実践すると、それがすさまじく切れ味よく当たる。神がかっている。占星術が「星の影響」を探求する学問であるならば、なんだかこじつけで煙に巻かれたような心理占星術だの、サビアンだのよりも、比較にならないほど「科学性」を感じた。誰がやっても再現性がある——。これは「科学であること」の基本条件だ。読み手の気分や思い付きやイマジネーションで「どうぞご勝手に」という心理占星術、サビアン、ヘリオセントリック、月の欠損だのはだいぶいかがわしく、まったくもって好きになれないが、コスモバイオロジーはハマった。門馬が途中で古典をやめてしまい、コスモバイオロジストになってしまった気持ちがよくわかった。
そして、わたしは当時、占星術ライターもやっていた。この45°グラフィックエフェメリスの、その一つ一つに星占いを連載すれば、雑誌占星術でありながらも、一人一人のオーダーメイド占星術さながらの予測ができるのではないか——。それを雑誌企画でやったらいいのではないか——。そう思いついたのだ。
しかし、Ebertin親子が360°を45°にまで圧縮してくれてあっても、それでもまだ「45」もある。「45星座」にしてしまうことも可能ではあるが、それではデイリー予報、ウィークリー予報として扱うには多すぎる……。これをもっとコンパクト化できないものか……。
そう考え、門馬寛明の教えを思いだした。門馬はよく「トランジットは接近1°で事件が起こり、タイトのときがピーク、分離1°で収束化していく」と教えていた。 なるほど……。接近1°、タイト1°、分離1°……。ならば「3°幅」じゃないか。よし、45を3でまとめてみよう……。
すると、45÷3=15 という数字になる。
うん……。ふつうの生まれ星座占いが12星座、12個だから、15星座、と考えれば、まぁ、連載には耐えられるかな……。
ということで、いうなれば「45°グラフィックエフェメリス改良版」である、「超次元占星術15ゾーン使用版」を、さっそく自分のホームページで描いたり、雑誌社に企画を持ち込んだりしてみた。何度か雑誌社が興味を持ってくれ、採用されたが、いざやってみると「15」でもやっぱり「多い」。12星座だってだいたい、おひつじ座から星占いを描き始めると、「てんびん座」に来る頃にはもうバテバテである。もうやだ、勘弁してくれ。コッホ博士が言う通り「以下同文」でいいじゃん、どうせオポジションなんだし……。
ということで、45→15に減らしても、まだライターとしては多いわけだ。駄文ライターはとにかく、仕事量を削減したがる。なんとかならないかと、Ebertin親子の45°グラフィックエフェメリスを眺めていたとき、「あれ? なんだかよく考えると、トラインとか、セクステルとか、セミセクステルも、インコンジャンクトも、こうすれば拾えてしまわないか??」とひらめいた。
「こうすれば」の「こう」とは、すなわち、接近1°タイト1°分離1°でまとめた3度ずつの束(超次元占星術では“ゾーン” と呼んでいる)を1、として、そこからゾーンを6つ数えていった場所は、最初のゾーンと完璧な「シンメトリー(対称)」になるということだ。
たとえば “ゾーンホワイト”。45°グラフィックエフェメリスでは、超次元占星術のゾーンホワイトは、活動サイン9°00′~11°59′、定着サイン24°00~26°59′だが、この3度幅のかたまりを1、として、下方向に6数えると今度は、活動サイン24°00′~26°59′、変通サイン09°00′~11°59′で、「あれ?? シンメトリーじゃないか」と気がついた。ここは超次元占星術では、ゾーンゴールドだ。色についてはわたしが、伝統的な古典占星術で当てはめられている12星座の色を、順番に当てはめただけだが……。ここを1、として、また下に6つ数えていくと、今度は定着サイン09°00~11°59′変通サイン24°00~26°00′で、またしても「シンメトリー」である。
だとするなら、「ゾーン」は「ハードアスペクト」であり、「ソフト」は「6つ上下に数えていった場所」でであり、この最初の1つのゾーンと、その上方向に6数えたシンメトリー①、下方向に6数えたシンメトリー②を、全部まとめて「1つのグループ化」してしまえば、すべてのアスペクトをいっぺんに、完璧に表現できるではないか!!
そう———。これこそがまさしく、このわたし、酒井日香原作、「超次元占星術R」なのである。まぁ、原作と言っても、本当の原作者はEbertin親子であり、これを授けてくれ、より深められる教えを与えてくれた門馬寛明であり、Ebertin親子を科学的占星術研究に導いた、本書導入部に描かれた、19世紀ドイツまたは、ヨーロッパのホメオパシー医学者たちであるのだが……。彼らがもし「版権を寄越せ」というのなら、喜んで差し出すし、売り上げなども全額持って行って欲しい。ただ、ひたすら、会いたかった——…。会いたかった、Ebertin親子や、コッホ博士や、占星術の科学的アプローチを切り開いていった当時の医学者たちに……。
話を戻すと、この「超次元占星術R」で出て来たシンメトリーを発見したとき、驚きと興奮でわたしは、舞い上がった。もう従来の占星術のように、いちいち、アスペクトの度数を数えて、オーブがどれぐらいで、トラインなのかセスキコードレードなのか……、と、悩む必要がなくなってしまうからだ。診断はよりクイックになり、簡潔にすることができる。
しかし、単にわたしがなしたことは、「Ebertin親子が考えた45°グラフィックエフェメリスをパクって3°ずつまとめ」→「その束は必ず上下に6つカウントしたところにシンメトリーができる」「そのシンメトリーを用いればメジャー、マイナー問わずにほとんどのアスペクトを一網打尽に出来る」ということを見出したにすぎない。何ひとつ自慢できる部分がない。Ebertin親子が生きているものならば、本当にきちんとご挨拶に行き、権利もなにもかも捧げてしまいたかった。だからわたしは今も、私立探偵よろしく、海外ネットサーチでEbertin親子の人生を必死に追いかけているのだが。
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